2020年春期講演大会公募シンポジウムテーマ要旨

春期講演大会(東京工業大学)におけるテーマ公募によるシンポジウム講演は,下記 7 テーマで実施することになりました.講演申込要領は前記のとおりです.多数の有益な講演と活発な討論を期待いたします.

S1 ハイエントロピー合金の材料科学Ⅲ

Materials Science and Technology in High-Entropy Alloys III

近年,国内においても科研費・新学術領域研究が立ち上がり,ハイエントロピー合金に関する研究が世界的に活況を呈している.ハイエントロピー合金では,配置のエントロピーが固溶体相を安定化するとの考えを基に,不均一に歪んだ結晶格子に由来した高い変形強度,トラップ効果に由来した遅い原子拡散から生じる高いクリープ特性,多様な構成原子間の非線形相互作用に起因する物性発現に関するカクテル効果など,材料科学の基礎・応用の両面で興味深い現象が期待されている.現実に優れた高温強度,低温靭性,高耐摩耗性を示す一連の合金が見出されているが,その物性発現機構などには未だ不明な点も多い.本シンポジウムでは,第1回,第2回の盛会を受け,ハイエントロピー合金の基礎及び応用に関する実験・理論計算からの研究に関する講演を広く募り,大学,企業,研究所の研究者の活発な議論の場を提供するとともに,これら研究者の有機的連携を促進しつつ,上記のハイエントロピー合金に関する科学的な疑問を解明すべく,第3回の公募シンポジウムを企画する.

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

九州大学工学研究院材料工学部門教授 田中將己

E-mail: tanaka.masaki.760[at]m.kyushu-u.ac.jp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください

(シンポジウム co-chairs):

金沢大 下川智嗣 東北大 井上耕治

原子力研究開発機構 都留智仁

S2 ワイドギャップ結晶の材料学と高温プロセッシング 2

 Materials Science and high temperature processing of widegap materials 2

ワイドギャップ結晶は,その大きなバンドギャップに由来する材料学的特徴を活かし,省エネ・環境負荷低減に寄与するパワーデバイスや短波長光デバイスへの研究開発が進められ,特にSiCデバイスは本格的な量産が間近となってきている.今後の各デバイスの加速的な応用展開には,高品質結晶の育成技術の確立とデバイス化技術のさらなる効率化を行う必要がある.そこで本シンポジウムでは,SiCや窒化物材料,酸化物材料等ワイドギャップ結晶のデバイスに真に求められる材料特性と現状の課題を把握するとともに,高温の結晶育成技術と高温融体を利用したプロセスについて議論を行い,金属材料学や冶金学の観点からのワイドギャップ・デバイスへのアプローチを検討することを目的とする.

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

東京大学生産技術研究所准教授 吉川 健

E-mail: t-yoshi[at]iis.u-tokyo.ac.jp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください

(シンポジウム co-chairs):

東北大 福山博之 名大 宇治原徹 信越化学工業 美濃輪武久

S3 ナノ・マイクロスペーステイラリングⅢ

Tailoring of Nano/Micro-Space for Advanced Functions III

高エネルギービーム照射などで生じる非平衡状態や積層プリンティング技術などを駆使し,ナノ~マイクロオーダーで空間制御した材料の創成・特性評価を進めてきた.これまでの2回のシンポでは,エネルギービーム照射による複雑形状ナノ構造体の形成や電気化学的手法による結晶内ナノスペース/層間への原子挿入制御などにより,新規な組織・機能制御について議論してきた.直前の2019年秋の一般講演申込数13件は本シンポに対する関心の高さを物語っている.今回のシンポでは,新規で独創的なセラミックス系コーティングの低温作製手法,またデータ科学に立脚した新規熱電変換材料の探索に関する基調講演から空間組織・物性制御について見聞を広げる.種々の材料におけるナノ・マイクロ構造体形成・特性・機能制御について引き続き情報交換し,これまでの議論を深化させることで,ナノ・マイクロスペーステイラリング技術やその機能制御に関して更なる発展が期待できる.

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

筑波大学数理物質系物質工学域准教授 谷本久典

E-mail: tanimoto[at]ims.tsukuba.ac.jp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください

(シンポジウム co-chairs):

東北大 森戸春彦 中村貴宏 大阪府立大 堀 史説

東北大 田中俊一郎

S4 金属表面の材料化学Ⅲ―めっき・耐食性・耐酸化性・触媒研究の新展開―

Materials Science in Surface Chemistry on Metals

金属表面と溶液や気体などとの化学反応は,めっき,化成処理,腐食,高温酸化,触媒などの分野で重要な研究対象となっている.また,表面化学反応を積極的に利用したナノポーラス材料などの開発も活発化している.しかし,金属と溶液・気体との化学反応の本質にせまるためには,その場解析が不可欠であるが空間・時間分解能や分析精度などには制約がある.しかも,不均一反応であるため理論的な取り扱いも発展途上にある.反応起点や律速段階の学理の深化には課題が多く,関連分野の研究者および企業での開発者が一同に会して問題点を抽出・議論することが必要な時期にきている.本シンポジウムでは金属表面の化学に関して,主にめっき・触媒・耐食性・耐酸化性の分野から講演を募り,研究者間での意見・情報交換,討論を行う.

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

東北大学教授 武藤 泉

E-mail: mutoi[at]material.tohoku.ac.jp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください

(シンポジウム co-chairs):

兵庫県立大 八重真治 北大 林 重成 東北大 亀岡 聡

阪大 土谷博昭 東北大 竹田 修

S5 永久磁石開発の元素戦略 7―次世代新材料に向けた基礎・基盤研究―

Element strategy for high performance permanent magnets 7 ―Fundamental and basic research toward next-generation novel materials―

永久磁石は,自動車の電動化に加え,風力発電機,小型ロボット,電動航空機など,中長期的な応用の多様化と使用量の増加により,重要性がますます高まっている.材料性能,資源リスク,価格等の多面的な要求に応じて,Nd-Fe-B 焼結磁石を筆頭に,様々な磁石材料の開発・性能向上が望まれる.一方,材料開発の観点から見ると,近年,プロセス,計測,計算の各種の先端的な研究手段が整備され,永久磁石研究が深化している.このような背景のもと,本シンポジウムでは,希土類系(Nd-Fe-B, Sm-Fe-N, 1-12系等),非希土類系(ハードフェライト等)を含む広い磁石材料を対象として,材料開発の最新の成果や,材料組織形成,保磁力発現機構の解明,熱力学解析・データ蓄積などの基礎・基盤研究を含め,広範な磁石研究の発表と活発な討論を期待する.

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

産業技術総合研究所研究チーム長 三宅 隆

E-mail: t-miyake[at]aist.go.jp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください

(シンポジウム co-chairs):

日立金属 西内武司 TDK 榎戸 靖 東北大 松浦昌志

物材機構 佐々木泰祐

S6 エネルギー関連材料の特性評価・解析・予測(Ⅰ)
―最先端技術への期待―

Evaluation, analysis, and prediction of energy related materials performance , (I)―Expectation of advanced technologies―

第 9 分野エネルギー関連材料では,水素エネルギー,電池,原子力,熱電のそれぞれの分野における最先端の材料開発と創製を牽引する活動を行っている.本シンポジウムでは第一弾として,これらの材料に求められる物性あるいは性能を俯瞰的に捉えるため,産業界における視点を取り込むと共に,最先端の計測技術とシミュレーションに焦点をあてながら材料開発におけるニーズを明確にする基調講演を配置する.ここでは材料特性のジャンプアップを実現するために評価・解析・予測に対して期待されることを多角的に議論して抽出することを目的とし,第9分野内の連携はもちろん,関連の分野間での連携が望まれる.この企画の仕掛けとして,一年後の春期大会において,第二弾「第9分野エネルギー関連材料の特性評価・解析・予測(Ⅱ)―最先端技術で紡ぎ出す未来―(仮題)」を第二弾のアンサーシンポジウムとして開催し,第一弾で明確化したニーズに対する答えとしての解決策と材料設計指針を掘り下げて議論する.

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

東京工業大学教授 木村好里

E-mail: kimura.y.ac[at]m.titech.ac.jp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください

(シンポジウム co-chairs):

金沢大 石川和宏 産総研 浅野耕太

量子化学研究機構 齋藤寛之 日立製作所 宇根本篤

北大 橋本直幸

S7 プラストンの材料科学Ⅶ

Materials Science on Plaston VII

「転位論」は材料科学・工学における重要な学問基盤であり,金属系結晶材料の変形は転位(dislocation)の運動により議論される.一方近年,転位の概念だけでは必ずしも理解しきれない変形現象が顕在化しつつある.例えば,ナノ結晶材料においては複数の結晶粒の協調的なせん断や回転が生じている可能性がある.また,原子のシャフリングを必要とする六方晶,あるいは複雑な規則相における双晶変形の原子的メカニズムや,せん断帯,粒界すべり,アモルファス・金属ガラスの変形,マルテンサイト変態もこの範疇に入る.我々は,転位や回位(disclination)を内包し結晶性材料の変形現象を包括的に理解する上位概念として,変形子(プラストン:plaston)を提案し,それに基づいて材料の変形と破壊を基礎的に理解しようとしている.本公募シンポジウムは,過去6回の公募シンポジウムに引き続き,材料の変形と破壊に関する理解の進展を議論することを目的としている.

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

京都大学教授 辻 伸泰

E-mail: nobuhiro-tsuji[at]mtl.kyoto-u.ac.jp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください

(シンポジウム co-chairs):

京大 田中 功 乾 晴行 九大 津﨑兼彰 東大 幾原雄一

阪大 尾方成信 京大名誉教授 落合庄治郎

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