年頭のご挨拶
―with/post コロナ時代に持続的に発展する学会として―

公益社団法人 日本金属学会 会長 中野貴由

乾会長

新年,明けましておめでとうございます.皆様にはご健勝で新年をお迎えのこととお慶び申し上げます.

昨年は,コロナ禍の中においても,ワクチン開発や接種が進み,治療薬開発の朗報も飛び込んで参りました.賛否両論はございましたが,世界的イベントである東京オリンピック・パラリンピックも無事開催されました.一昨年にはまだまだ手探りだった新型コロナ感染症への対策も,昨年は,withコロナでの新たな生活様式が人々に深く浸透し,一昨年では想像もつかなかったほどの変化と発展を実感する1 年となりました.五灯会元の「松無古今色,竹有上下節」の句には様々な解釈がありますが,この句に時間軸をあてはめれば,松のような“不変さ”と“持続的成長”を,竹のような“急激な変化と発展”,そして“ただただ流れていく歳月にお正月のような節目が必要なように,松と竹の異次元の融合の必要性を 強く感じる日々にあります.
 本年が日本金属学会会員の皆様にとってますます希望の持てる活気に満ちた一年になりますことを確信しております.

コロナ禍は,本会の活動においても,“ピンチをチャンスに変える”絶好の機会を与えています.私が講演大会委員長を務めていた一昨年の春期講演大会は中止せざるをえませんでした.しかしながら高梨弘毅前会長をはじめとする関係の皆様のご尽力により,一昨年の秋期講演大会,昨年の春期大会と本会初のオンラインでの講演大会が開催されました.2 度の大会では講演数・参加者数の微減が認められましたが,昨年の秋期講演大会では,オンラインの積極的活用によりコロナ禍前と同水準の900件にも迫る講演数と1400名を超える参加者を記録し,コロナ禍の中での講演大会の復活さらには持続的成長を遂げることができました.これは,講演大会委員や事務局の献身的なご尽力と何よりも会員の皆様の強いご支援・ご協力による賜物であり,厚く御礼申し上げます.

加えて,明るい未来に向けたwith/post コロナ時代における本会の持続的な発展に向けて,昨年より理事会を中心に様々な施策を計画・検討しております.本年は,(1) 昨年からスタートした本会出版図書の電子書籍化の拡充と会員向け無料閲覧の開始,(2) 新たなロゴマークの制定や学会パンフレットの制作,ホームページのリニューアル等の広報活動の強化,(3) MI,カーボンニュートラル,Additive Manufacturing,新材料・新機能創製をはじめとする時代を先取りした産学協創研究会の創設と拡充,(4) post コロナ時代を見据えたオンライン教育講座の開催とシリーズ化,(5) 金属学の国際的ハブ機能としての本会秋期講演大会での国際セッションの開始と継続化,(6) 堀田善治欧文誌編集委員長および編集委員のご尽力により,1.4(2020年)まで上昇したMaterials Transactions のインパクトファクターのさらなる向上と高水準値の定着,(7) 若手育成・助成制度の充実とシニア会員制度の充実他の検討,をおこない,コロナ禍でのニューノーマルな時代に対応すべく精力的に活動をすすめて参ります.

本年も公益社団法人として,引き続き公益目的事業を公正かつ適切に推進して参りますので,会員 の皆様に於かれましては厚いご支援のほどよろしくお願い申し上げます.

最後になりましたが,本会会員の皆様の益々のご健勝とご発展を祈念いたしまして年頭のご挨拶と させて頂きます.

2022年1月1日