2014年秋期講演大会公募シンポジウムテーマ要旨

 秋期講演大会(名古屋大学)におけるテーマ公募によるシンポジウム講演は,下記7テーマで実施することになりました.講演申 込要領は前記のとおりです.多数の有益な講演と活発な討論を期待いたします.

S1  ナノ構造情報のフロンティア開拓ー材料科学の新展開

Exploration of nanostructure-property relationships for materials innovation

結晶の表面,界面,点欠陥等に局在した特徴的な原子配列や電子状態=ナノ構造が,材料特性に決定的な役割を担う例は極めて多い.近年ナノ構造における個々の原子を直接観察し,その定量的情報を直接的に得るための実験および理論計算に格段の進歩があった.本シンポジウムでは,ナノ材料科学のフロンティア開拓にさらなる弾みを付けるとともに,獲得されるナノ構造情報を具体的な材料設計・創出に活かすことを目指して,材料科学,応用物理,固体化学,触媒化学,情報科学など様々な分野からナノ構造の評価・設計,材料・機能創製に関する発表を募り,横断的な議論を行う.

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

京都大学工学研究科教授 田中 功

E-mail: tanaka@cms.mtl.kyoto-u.ac.jp

(シンポジウム co-chairs):

名大 松永克志 東大 柴田直哉
京大 大場史康 名大 巽 一厳

S2  励起反応場で創成した低次元ナノ材料とその機能(12)

Low-dimensional nanomaterials and their functions grown in the physically/chemically excited reaction fields (ser. 12)

新機能デバイス要素を目指したナノ材料研究が隆盛を極める中、物理・化学的励起反応場を用いると自己組織化機構から逸脱すると思われる機構により形成された低次元ナノ材料が報告され始めた。その反応場では様々な励起源によって原子・分子規模の非平衡反応を促進させ、主としてボトムアップ的成長と操作が可能となる。本シンポジウムでは励起反応場を用いて創成される各種低次元材料を概括してその形成機構と制御の可能性に関する考察を行い、これらの特異的な物理・化学的諸特性と応用の可能性を学際的に議論する。対象とする励起反応場は、物理的には電子線・イオン・レーザー・超音波・マイクロ波などのビーム照射、化学的には超臨界などの高温・高圧条件やサイズ・次元が規制された空間での化学反応とし、形状にナノメートル規模の粒子・ドット・チューブ・ロッド・ファイバー・板状箔などの低次元構造を持つ金属・半導体・無機化合物・有機化合物・それらの複合体を網羅する。今回で最終会とする。

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

東北大学多元物質科学研究所教授 田中俊一郎

E-mail: sitanaka@tagen.tohoku.ac.jp

(シンポジウム co-chairs):

東北大 佐藤俊一 阪大 保田英洋 東北大 及川勝成

S3  エレクトロニクス薄膜材料の科学と技術 Ⅱ

Science and technology of thin-film materials in electronics

低炭素化社会のための次世代エレクトロニクスとして、従来の半導体材料及びプロセスに踏襲されない革新的機能を有する電子デバイスが要求されている。本シンポジウムにおいては、革新的な機能を創出するナノ材料を念頭に、シリコン系ナノ材料、ワイドギャップ半導体材料、強相関エレクトロニクス材料及び金属配線材料の作製技術、ナノオーダでのスタック構造について、革新的機能を有する電子デバイスに繋がる新たなエレクトロニクスの薄膜材料について科学とテクノロジーの観点から議論を深める。

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

兵庫県立大学教授 松尾直人

E-mail: nmatsuo@eng.u-hyogo.ac.jp

(シンポジウム co-chairs):

物・材機構 生田目俊秀 阪大 藤原康文
物・材機構 小出康夫 東北大 小山 裕
阪大 伊藤和博 電磁研 阿部世嗣

S4  金属間化合物材料の新たな可能性

New Perspectives in Structural and Functional Intermetallics Alloys

本シンポジウムは,2002年秋期大会以来13年連続の企画である.TiAl,遷移金属シリサイドといった高温構造材料としての金属間化合物ならびに形状記憶合金,熱電変換材料といった機能性金属間化合物は,用途は異なるものの,その力学特性ならびに機能特性は,化合物特有の規則原子配列,相安定性,格子欠陥といった共通の因子に支配されている.このような特性と組織の相関は,原子直視電子顕微鏡法や計算材料科学の発展によって近年急速に理解が深まり,金属間化合物の研究に新たな展開が生まれている.本シンポジウムは,構造用化合物ならびに機能性化合物およびそのキャラクタリゼーション,計算機シミュレーションに関して広く講演を募り,大学,企業,研究所の研究者の活発な議論の場を提供するとともに,これら研究者の有機的連携を促進することを目的としている.特に本年は,2年ごとに米国ボストンで開催される金属間化合物に関するMRSシンポジウムの開催年であり,2014年11月開催予定のMRSシンポジウム「Advanced Structural and Functional Intermetallic-Based Alloys」を見据え,我が国の研究のアクティビティを一層高めるとともに,従来の構造用金属間化合物のみならず,金属間化合物がその特性を存分な発揮できる新しい研究領域を開拓することを狙って企画した.

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

京都大学大学院工学研究科教授 乾 晴行

E-mail: haruyuki-inui@mtl.kyoto-u.ac.jp

(シンポジウム co-chairs):

東工大 竹山雅夫 北大 三浦誠司 東北大 吉見享祐 阪大 安田弘行 東北大 木村好里

S5  バルクナノメタルIV

Bulk Nanometal IV

母相の平均粒径が1μmよりも小さい超微細粒組織やナノ結晶組織が、バルク体金属においても実現できるようになっている。いま、マトリクスを構成する結晶粒や相が1μm以下のサイズを有する均一なバルク状金属系材料を、「バルクナノメタル(Bulk Nanostructured Metals)」と定義する。バルクナノメタルの特異な機械的性質やその他の特性について、世界的に極めて活発な研究が行われており、我が国においても科学研究費・新学術領域プロジェクト「バルクナノメタル —常識を覆す新しい構造材料の科学」が採択され、活発な研究活動が行われている。こうした活発な研究活動を背景に、バルクナノメタルが示す特異な組織・構造と特性に関する最新の研究成果を集め、討論することを目的として本公募シンポジウムを企画する。バルクナノメタルの組織と力学特性のみならず、種々の興味深い機能特性に関する研究発表も歓迎する。上記プロジェクト内外から、実験研究および理論・計算シミュレーション研究に関する最新の講演が集まることを期待している。すでに3回の公募シンポジウムを、2011年秋・沖縄大会、2012年秋・愛媛大会および2013年秋・金沢大会において実施し、上記プロジェクト内外から多数の講演を集め、活発な討論が行われた。

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

京都大学大学院工学研究科教授 辻 伸泰

E-mail: nobuhiro-tsuji@mtl.kyoto-u.ac.jp

(シンポジウム co-chairs):

阪大 尾方成信 九大 堀田善治 東大 柳本 潤 東工大 加藤雅治 金沢大 下川智嗣

S6  シンクロ型LPSO構造の形成メカニズム

Formation Machanisms of Syncronized Long-Range Stacking Order Structure

 濃度・構造変調がシンクロした特異なMg基LPSO構造は従来にない高い力学特性を示す. 合金設計や熱処理プロセス制御によるシンクロ型LPSO構造の設計には,凝固からの冷却や固相状態での時効における種々のLPSO構造の相安定性および組織形成メカニズムを明らかにすることが必要である.本シンポジウムでは,濃度変調に強く影響する原子間結合エネルギーと構造変調である積層欠陥の導入に深く関連する格子歪エネルギーの両方からの知見を合わせることで,形成メカニズムに関する理解を深めることを目的とする.これと同時に,シンクロ型LPSO構造の物質群の拡大に向けた新規合金成分探索や超高圧場・超急冷場の影響についても検討し,シンクロ型LPSO構造を形成する合金元素のクライテリアについて議論を行う予定である.

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

東北大学金属材料研究所教授 古原 忠

E-mail: furuhara@imr.tohoku.ac.jp

(シンポジウム co-chairs):

名工大 小山敏幸 京大 奥田博司 東北大 大谷博司 熊本大 河村能人

S7  マテリアルズ・インフォマティクス

Materials Informatics

 約30年前に,物質・材料におけるミクロの機構の解明と予測を目指した「計算科学」が実験,理論と鼎立する第3の科学として産声を挙げ,爾後急速に成長してきた. 現在,それらの3本の柱に並ぶ第4の科学として「データ科学」の重要性が認識されつつある. それを明確に示すのは,2011年に米国でその計画が公表され,2012年からスタートした “Materials Genome Initiative” である. 実験,理論,計算で得られた物質・材料に関する知識とデータを駆使して,統計学習により物質・材料の機能を制御する法則を探り,「設計」を可能とする系統的アプローチを構築すること,それを通して具体的に新物質,新材料を開発することを目指すものである.このMaterials Informaticsには,様々なアプローチがある.金属学会の中で,こういうバラエティを理解いただき,風通し良い議論に参加していただくためのシンポジウムを企画した.

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

東北大学金属材料研究所教授 毛利 哲夫

E-mail: tmohri@imr.tohoku.ac.jp

(シンポジウム co-chairs):

九大 津﨑 兼彰 鹿児島大 足立 吉隆 京大 世古 敦人

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