2011年春期大会公募シンポジウムテーマ要旨

春期大会 (東京都市大学 (旧武蔵工大)) におけるテーマ公募によるシンポジウム講演は,下記 テーマで実施することになりました.
講演申込要領は前記のとおりです.多数の有益な講演と活発な討論を期待いたします.

S1   めっき膜の構造及び物性制御とその応用 (II)
Nano Plating (II)

当研究会は表面処理技術としてのめっき技術の向上と,めっき法によって種々の機能材料やデバイスを作製するための基礎理論の確立を目的としている.シンポジウムもその目的のために企画するものであるが,今回開催するジウムでは,前回 (平成21年秋のシンポジウム)に続いて,特に膜中に混入する水素の存在状態と定量について検討し,膜物性制御についても,膜応力や結晶の異状成長に及ぼす水素の影響について検討する.また,めっき膜の応用については,エレクトロニクス機器製造における各種デバイスの微細化や高機能化技術の開発について検討する.シンポジウムでは,膜の構造制御,物性制御,そして応用の各テーマの最新情報について基調講演をいただき,それに沿って一般講演を募集する.

関連分科: 第 3 分科
テーマ責任者
  (シンポジウム chair):
   芝浦工業大学 材料工学科 渡辺 徹
   E-mail: watanabe-tohru@w.email.ne.jp
  (シンポジウム co-chair):
   兵庫県立大 松田 均 岡山県工業技術センター 日野 実
   日本エレクトロプレイティング・エンジニヤーズ 藤波知之
   吉野電化工業 吉野正洋


S2   励起反応場で創成した低次元ナノ材料とその機能(5)
Low-dimensional Nanomaterials and Their Functions Grown in the Physically/chemically Excited Reaction Field (5)

新機能デバイス要素を目指したナノ材料研究が隆盛を極める中,物理・化学的励起反応場を用いると自己組織化機構から逸脱する機構で形成された低次元ナノ材料が報告され始めた.その反応場では様々な励起源によって原子・分子規模の非平衡反応を促進させ,主としてボトムアップ的成長と操作が可能となる.本シンポジウムでは励起反応場を用いて創成される各種低次元材料を概括してその形成機構と制御の可能性に関する考察を行い,これらの特異的な物理・化学的諸特性と応用の可能性を学際的に議論する.対象とする励起反応場は,物理的には電子線・イオン・レーザー・超音波などのビーム照射,化学的には超臨界などの高温・高圧条件やサイズ・次元が規制された空間での化学反応とし,形状にナノメートル規模の粒子・ドット・チューブ・ロッド・ファイバー・板状箔などの低次元構造を持つ金属・半導体・無機化合物・有機化合物・それらの複合体を網羅する.

関連分科:第 5 分科
テーマ責任者
  (シンポジウム chair):
   東北大学多元物質科学研究所 田中俊一郎
   E-mail: sitanaka@tagen.tohoku.ac.jp
  (シンポジウム co-chair):
   東北大 佐藤俊一 神戸大 保田英洋
   東北大 関野 徹 東北大 柴田浩幸


S3   格子欠陥制御工学 VI
Lattice Defect Engineering VI

本シンポジウムは,2006年春期大会で開催された公募シンポジウム「格子欠陥制御工学」の,第 6 回シンポジウムである.結晶格子欠陥の凝集,再配列,構造緩和などは,原子〜ナノレベルで組織の自己形成と密接にかかわり,材料特性や機能を大きく左右するため,材料工学,金属材料学の重要な課題である.ナノテクノロジー分野においても,格子欠陥制御によって結晶性材料のナノ組織を制御するボトムアップ技術が注目されており,格子欠陥制御工学に対する期待が高まっている.そこで本シンポジウムは,これまでの結晶格子欠陥論に基づきつつ,原子空孔や格子間原子,転位,結晶粒界,表面,界面等々を積極的に利用し,制御し,操作し,材料の高機能化を図るための方法論,すなわち格子欠陥制御工学 (Lattice Defect Engineering) を確立するための討論の場を創設するものである.

関連分科:全分科
テーマ責任者
  (シンポジウム chair):
   東北大学環境科学研究科 吉見享祐
   E-mail: yoshimik@cir.tohoku.ac.jp
  (シンポジウム co-chair):
   北大 渡辺精一 熊本大 連川貞弘 京大 岸田恭輔 東北大 和田山智正
   物材機構 出村雅彦 九大 波多 聰

S4   計算材料科学の到達点と課題:高い信頼性と材料開発との実りある協働を目指して
Frontiers of Computational Materials Science: Toward the High Reliability and the Fruitful Collaboration with Materials Development

計算材料科学は,様々な材料の構造や性質を微視的レベルから解明し,設計・制御指針を構築するための有力な研究手段である.実験・観察や材料開発と緊密に連携することで,材料研究に多大の貢献をしてきた.今回,2 年ぶりに計算材料科学のシンポジウムを開催し,現在の豊富な到達点と課題を交流することで,今後の方向や展望を明らかにしたい.大規模計算では,次世代スパコンの開発に伴い,より大規模で高精度な計算による大きな飛躍が期待されている.物性物理や分子化学との連携・交流とともに,計算材料科学の独自の理論・方法論を如何に構築するかも問われている.また,手法や理論の進歩を踏まえて,実験・観察や材料開発との,より緊密で実りある協働を実践することが重要となっている.計算材料科学の様々な側面を議論する見地から,様々な方法論による計算や実験との連携研究,実験や材料開発サイドからの要望や提言も歓迎する.

関連分科:第 1,3,5 分科
テーマ責任者
  (シンポジウム chair):
   産業技術総合研究所 香山正憲
   E-mail: m-kohyama@aist.go.jp
  (シンポジウム co-chair):
   北大工 毛利哲雄 東北大金研 川添良幸 横国大工 大野かおる
   新日鉄 松宮 徹 関西学院 西谷滋人


S5   革新的金属を発掘するナノ金属学の研究
Nano-metallurgy to Innovate the Conventional Properties of Metals

金属の発展は,有害不純物元素の低減と有用元素の添加,加工・熱処理の最適化との戦いであった.我々は,長年,超高純度金属の研究を推進し,1985〜2003年に亘り日本金属学会の高純度研究会,高純度ベースメタル研究会,超高純度金属研究会などで成果発表した.また,1993〜2010年,「超高純度ベースメタル国際会議」組織委員会を組織し15回の国際会議を開催し,研究成果の議論をしてきた.これらの研究活動は,1995年に制定された科学技術基本法に基づく第 1, 2, 3 期の科学技術基本計画によって一段と加速された.

研究成果から,2000年,金属の超高純度化を原点とする“ナノメタラジー (ナノ金属学)”が誕生し,飛躍的性質を有する革新的金属 (ナノメタル)の発掘指針が見つかった.想像を超えた特性の超高純度鉄の発掘に始まり,最近では,耐食性,溶接性,成形性,延性,高温強度特性などに優れたステンレス合金の発掘へと進展している.

本シンポジウムでは,超高純度金属の研究に関して,ここ10余年の進展を概観するとともに,金属の本質及びそれらの合金の特性などを明らかにし新しい金属学の共有を図る.

関連分科: 第 5 分科
テーマ責任者
  (シンポジウム chair):
   東北大学金属材料研究所 安彦兼次
   E-mail: abiko@imr.tohoku.jp
  (シンポジウム co-chair):
   元東北大教授 飯島嘉明 元 JFE テクノリサーチ 角山浩三


S6   3d 磁性金属における新機能の展開
Development of New Functionality in 3d Magnetic Metals

最近,3d 磁性金属を主体とした合金・化合物において,高特性 Fe 系軟磁性材料,3d 遷移金属系熱電材料,強磁性・メタ磁性形状記憶材料,Mn 系負膨張材料,遍歴電子メタ磁性系磁気冷凍材料,ホイスラー系ハーフメタル材料,さらには Fe 系超伝導材料など,物理・工学的に新規な機能が次々と出現している.これらの機能性は,エネルギー問題を初め多大な波及効果を生じるが,このような多様性を,元素としてユビキタス性のある 3d 元素を主体として達成できることは極めて興味深い.そこで,本会における 3d 磁性金属の新機能を網羅的に俯瞰することで,応用面では異分野に属する研究の交流を促し,共通の学理を見出だすことを目標に本シンポジウムを企画する

関連分科:第 1, 3, 5 分科
テーマ責任者
  (シンポジウム chair):
   東北大学工学研究科 藤田麻哉
   E-mail: afujita@material.tohoku.ac.jp
  (シンポジウム co-chair):
   東北大工 貝沼亮介 日立金属 太田元基 名工大 西野洋一
   NIMS 土谷浩一


S7   高性能蓄電池の材料科学―II
Materials Science of High-performance Batteries-II

現在,自動車への搭載を目指したリチウムイオン電池の高性能化や,さらなる高容量化が期待される空気二次電池等の革新的蓄電池の研究開発が精力的に行われている.本学会においても,講演大会では電池材料やイオン伝導体のセッションが存在し,多くの研究者が関連研究発表を行っている.開発においては,材料学的課題が山積しており,基礎から応用まで様々なバックグラウンドをもつ新たな材料研究者の参入も期待される.本公募シンポジウムは,2010年春に,講演件数22件で多数の聴講者を集めた「高性能蓄電池の材料科学」 (企画責任者 高村 仁)に引き続き,高性能蓄電池材料に関する本学会の高いポテンシャルを引き出すことを企図し,基礎,解析手法,材料開発など幅広く電池関連材料について議論する場としたい.

関連分科:第 1 分科
テーマ責任者
  (シンポジウム chair):
   東北大学工学研究科 前川英己
   E-mail: maekawa@material.tohoku.ac.jp
  (シンポジウム co-chair):
   京大 松原英一郎 東北大 高村 仁 JFCC 桑原彰秀


S8   変位型相変態の先端材料科学 II
Advanced Materials Science in Displacive Transformations II

2011年 9 月に我国で 3 回目となるマルテンサイト変態国際会議 (ICOMAT-2011) が JIMIC8 として大阪府豊中市で開催される.本会議は鉄鋼,Ti 合金,Cu 合金などの金属材料からセラミックス,複合材料,鉱物に至る全ての物質・材料における変位型相 (マルテンサイト) 変態と関連現象およびそれらに由来する強靭化,形状記憶効果,超弾性,マルチフェロイック効果等について,科学と工学の両面からの最近の研究の発展と問題点を討議し情報交換を行うものである.我国は西山の関係 (N 関係) をはじめとして1900年代初頭より常に本研究分野を先導する研究拠点となっている.

本シンポジウムは,ホスト学会として今回のマルテンサイト変態国際会議を充実したものするための準備活動であり,2010年秋期 (第147回) 大会と連続して変位型相変態の基礎から応用までを網羅した最近の研究成果を議論することで本分野の将来像を長期的視点に立って考える場とする.

関連分科:第 1, 5 分科
テーマ責任者
  (シンポジウム chair):
   九州大学 西田 稔
   E-mail: nishida@asem.kyushu-u.ac.jp
  (シンポジウム co-chair):
   阪大 掛下知行 筑波大 宮崎修一 NIMS 津﨑兼彰


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