2011年秋期大会公募シンポジウムテーマ要旨

秋期大会(沖縄コンベンションセンターおよびカルチャーリゾットフェストーネ)におけるテーマ公募によるシンポジウム講演は,下記 8 テーマで実施することになりました.講演申込要領は前記のとおりです.多数の有益な講演と活発な討論を期待いたします.

S1   機能元素のナノ材料科学
Nano Materials Science for Atomic Scale Modification

本セッションで対象とする“機能元素”とは,結晶の表面,界面,粒界,転位,原子空孔などの格子不整合領域に偏在し,材料のマクロな特性に決定的な役割を果たすドーパントや不純物のことを指します.機能元素による材料機能発現メカニズムを解明することができれば,合理的な材料設計を実現することが可能となり,材料科学に新たなブレークスルーをもたらすことができると期待されます.本セッションではそのような格子不整合領域および機能元素に注目したナノ計測,理論計算,プロセスに関する研究を広く公募します.

 関連セッション:セラミックス材料,粒界・界面 
テーマ責任者
 (シンポジウム chair):
   東京大学 溝口照康
   E-mail: teru@iis.u-tokyo.ac.jp
 (シンポジウム co-chairs):
   京大 松永克志 NIMS 吉田英弘

S2   金属間化合物材料の新たな可能性
New Perspectives in Structural and Functional Intermetallics Alloys

自動車や航空機への実用化が着実に進められている TiAl 基合金を代表とする金属間化合物材料に関して大学,研究所,企業の研究者の活発な討論を図るために企画した2002年秋期大会以来10年連続の企画である.構造材料としての金属間化合物および機能性金属間化合物の基礎,応用研究の発表,討論の場を提供する.特に,近年,低炭素化社会の実現に対する金属間化合物材料が果たす大きな役割が再認識され,世界的にも再び活況を呈する兆しが見られる.このため,本シンポジウムでは,耐熱合金のみならず,各種電池材料,熱電材料としての金属間化合物材料に焦点を当て,低炭素化社会の実現に対し金属間化合物がその特性を存分な発揮できる新しい研究領域を開拓することを狙って企画した.これまでに蓄積した学理を整理しつつ,いかに特性の飛躍的な向上,実用化に結びつけるか基調講演をもとに議論を深める予定である.

 関連セッション:金属間化合物材料 
テーマ責任者
 (シンポジウム chair):
   京都大学大学院工学研究科教授 乾 晴行
   E-mail: haruyuki-inui@mtl.kyoto-u.ac.jp
 (シンポジウム co-chairs):
   東工大 竹山雅夫 北大 三浦誠司 東北大 吉見享祐
   阪大 安田弘行 東工大 木村好里

S3   バルクナノメタル
Bulk Nanostructured Metals

母相の平均粒径が 1 μm よりずっと小さい超微細粒組織やナノ結晶組織が,バルク体金属においても実現できるようになっている.いま,マトリクスを構成する結晶粒や相が 1 μm 以下のサイズを有する均一なバルク状金属系材料を,「バルクナノメタル(Bulk Nanostructured Metals)」と定義する.バルクナノメタルの特異な機械的性質やその他の特性について,世界的に極めて活発な研究が行われており,我が国においても科学研究費プロジェクト「バルクナノメタル―常識を覆す新しい構造材料の科学」が,新学術領域研究として金属材料分野から初めて採択され,開始されている.こうした分野の盛り上がりを背景に,バルクナノメタルが示す特異な組織・構造と特性に関する最新の研究成果を集め,討論することを目的として本公募シンポジウムを企画した.バルクナノメタルの組織と力学特性のみならず,種々の興味深い機能特性に関する研究発表も歓迎する.上記プロジェクト内外から,実験研究および理論・計算シミュレーション研究に関する最新の講演が集まることを期待している.なお,本公募シンポジウムは,今後も年 1 回,各秋期大会において開催することを計画している.

 関連セッション:超微細粒材料
テーマ責任者
 (シンポジウム chair):
   京都大学大学院工学研究科材料工学専攻 辻 伸泰
   E-mail: nobuhiro.tsuji@ky5.ecs.kyoto-u.ac.jp
 (シンポジウム co-chairs):
   阪大 尾方成信 九大 堀田善治 東大 柳本 潤 東工大 加藤雅治
   金沢大学 下川智嗣

S4   水素エネルギー材料-IV
Hydrogen Energy Materials-IV

地球環境・温暖化問題に加えてエネルギーセキュリティー確保の視点から、水素エネルギーの有効利用にかかわる技術開発が精力的に進められている。これらの技術開発の基盤となる燃料としての水素の製造・貯蔵・輸送・利用などにかかわる材料科学的課題に関しては、これまで開催されてきた公募シンポジウム「水素エネルギー材料(I〜III)」で幅広く議論されてきた。シリーズとしての開催が期待される本シンポジウムにより、引き続き「エネルギーとしての水素」に加えて「材料開発・機能設計のための水素」も見据えて関連する諸材料について基礎と応用の両面から活発な討論を行うことで、水素エネルギー材料に関する材料科学の深化を狙う。さらに、材料合成・構造解析技術や計算材料科学などの本会における高い研究ポテンシャルを含めて密に情報交換することで、新たな材料科学の萌芽も期待する。なお、沖縄大会における試行性の観点から、関連するセッション(水素・水素貯蔵材料・水素透過材料)の内容を広く含めた形のシンポジウムとして開催する。

 関連セッション:水素貯蔵材料,水素透過材料,水素 
テーマ責任者
 (シンポジウム chair):
   東北大学 折茂慎一
   E-mail: orimo@imr.tohoku.ac.jp
 (シンポジウム co-chairs):
   北見工大 石川和宏 東北大 亀川厚則 産総研 中村優美子
   関西大 竹下博之 広島大 小島由継

S5   金属学からの新しい触媒材料の設計と開発
Design and development of novel catalysis materials based on metallurgy

触媒は資源・環境・エネルギー分野におけるグリーン・イノベーションを実現するためのキーマテリアルである.これまで Pt, Pd, Rh などの希少貴金属をベースとした触媒が多く用いられてきたが,特に最近,脱貴金属化や貴金属代替合金触媒の開発が課題となっている.しかし,金属は触媒材料として広く用いられているにもかかわらず,驚くことにこれまで金属学の視点で系統的に金属・合金触媒材料を設計・開発しその触媒機能について詳細に議論されることは殆どなかった.そこで,本シンポジウムは,ナノ粒子からバルク体までの幅広い金属・合金触媒材料に着目し作製手法の開発やそのキャラクタリゼーションを通して,構造・組成・組織ならびに電子状態とそこから発現する触媒機能の相関に関する総合的な理解を深めることを目的とする.金属学をキーワードとして幅広い分野(触媒化学,金属材料,材料物性・解析,物性理論,表面・電気化学など)の研究者から発表を募り意見や情報の交換,討論を通して金属学会での触媒材料分野の確立と活性化を図る.

 関連セッション:触媒材料 
テーマ責任者
 (シンポジウム chair):
   物質・材料研究機構燃料電池センター長 西村 睦
   E-mail: NISHIMURA.Chikashi@nims.go.jp
 (シンポジウム co-chairs):

S6   準結晶とその関連物質の多様性と応用展望
Variety of Quasicrystals and Related Matters, and their Future Aspects on Application

準結晶が発見されてから30年経とうとしている.2006年のシンポジウム以来,準結晶金属の構造および物性への理解が格段に深まっただけでなく,高分子準結晶やコロイド準結晶等多くの非金属準結晶が報告され,世を沸かせた.今回のシンポジウムでは,ここ数年間の金属および非金属準結晶あるいはその関連物質の発展を踏まえて,これからの物質研究の新しい流れを俯瞰するとともに,これらの物質の応用展望について考える.シンポジウムでは,準結晶のみならず,フォトニクス,クラスレート化合物やガラスなどの20面体クラスターを骨格とした構造体も対象とする.

 関連セッション:準結晶,アモルファス 
テーマ責任者
 (シンポジウム chair):
   東北大学多元物質科学研究所 蔡 安邦
   E-mail: aptsai@tagen.tohoku.ac.jp
 (シンポジウム co-chair):
   東大 阿部英司 枝川圭一 東理大 田村隆治 北大工 石政 勉

S7   塩化物環境における腐食挙動の解析と評価
Corrosion problems in chloride environments

海水中,海浜大気などは塩化物の存在のため,厳しい腐食環境であることが知られている.さらに,様々な化学プラント,あるいは融雪塩を散布する地域での輸送機器・構造物,さらには医療材料に接触する体内環境でも塩化物イオンに関わる様々な腐食損傷事例がある.本シンポジウムでは,塩化物環境にて炭素鋼,ステンレス鋼,あるいは Al, Ti, Mg, Cu と各合金等に生じる腐食現象について,その解析と評価について議論する.また,これらの腐食損傷を防止するための新材料,表面改質,実験室的な解析手法の開発についても議論を深めたい.

 関連セッション:水溶液腐食 
テーマ責任者
 (シンポジウム chair):
   大阪大学工学研究科 藤本慎司
   E-mail: fujimoto@mat.eng.osaka-ac.jp
 (シンポジウム co-chairs):
   東北大 原 信義 東工大 西方 篤 北大 坂入正敏

S8   レアメタルの材料戦略
Material strategy for rare-metals

各種材料は資源の枯渇,資源保有国の偏在等により安定供給が難しいのが昨今である.特に,資源に乏しい我が国にとっていかに安定にレアメタルを確保するかが今後の工業から生活の安定化にとって必須である.さらに,材料の使用量の削減やリサイクル,さらには代替材料の開発もあわせて重要な課題である.これらの手法は併行して進めていくことが有効である.

本シンポジウムではレアメタルの戦略(使用量,資源量,代替,リサイクルなど)の現状を基盤に,レアメタルの 2, 3 の開発例(代替,リデュース,リサイクル)について紹介し,議論を深めていく場とする.

テーマ責任者
 (シンポジウム chair):
   横浜国立大学 梅澤 修
   E-mail: umezawa@ynu.ac.jp
 (シンポジウム co-chairs):
   京大 宇田哲也 物材機構 御手洗容子 京大 山末英嗣 奈良女子大 松岡由貴
   名城大 黒田光太郎 千葉工大 柴田 清 東京藝大 桐野文良

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